婚活や出会いの場にあらわれる「知ってるーおじさん」

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婚活、出会いの場、恋愛系のイベントに参加していると、決まって現れる人がいる。

決まって現れると言っても、まったくおなじ人に、偶然別のイベントで会うのではない。似たような行動をとる人に、何度かイベント参加する度に遭遇するのだ。

僕はその人のことを「知ってるーおじさん」と呼んでいる。

婚活系のイベントに参加すると、イベント終了後「この後みんなで飲みにいきませんか」などと、交流を深めるために食事に誘うことがよくある。僕から誘うこともあった。

そんな時、頼んでもいないのに「知ってるーおじさん」はついてくる。イベント参加者みんなに向かって誘っているのだから「ついてくるな!」とは言えない。

ほとんどの場合「知ってるーおじさん」は、イベント中に女性と会話をしていない。イベントによっては、二人っきりで話せる状況を作ってくれるが、会話をほとんどせず、女性側を見ると迷惑そうな顔をしていたりする。

そんな状態でみんなで飲んでも、そこから女性と仲良くなるとは思えない。それでも「知ってるーおじさん」はついてくる。

「知ってるーおじさん」のほとんどは、40代後半〜50代前半。アラフィフからアラフィフ超えの中高年男性だ。

飲み会の席につくなり、「知ってるーおじさん」はスイッチが入りだす。

「知ってるー、なになには、なになになんだよ」

「知ってるー、誰々って、実はなになになんだよ」

「知ってるー」

「知ってるー」

「知ってるーおじさん」は、みんなが知らないと思っているような無駄知識を、得意げにかつ自慢げに話し始めるのだ。話を始める冒頭の言葉は決まって、「知ってるー」だ。

「知ってるーおじさん」の話す内容が面白ければ良い。もしくは、そこから話が広がって盛り上がればいい。でも、そんなことはまったくない。「知ってるーおじさん」が話す内容は決まって、ネットやまとめサイトにでも載っているような浅い話ばかり。内容は誰もが知っているような話だ。

聞かされた側は、「そうなんですね」ぐらいで話が終わってしまう。女性側は気を使っているのか、しっかり聞く姿勢は見せてくれる。「知ってるーおじさん」は、かなり年上のためか、「そんなの誰でも知ってるよ」と女性側が文句を言うこともない。気遣いと察しで、大人の対応をしてくれる。

だんだん聞くのが辛くなってきて、女性たちは下を見てブツブツ言い出す。または、気持ち悪そうに「知ってるーおじさん」を見る。

すると「知ってるーおじさん」は、また「知ってるー」と新しい話をはじめだす。まったく空気を読むことはない。

気を使って話を広げようとすると、「知ってるーおじさん」が持っているネタの話のキーワードが出てきた瞬間、また「知ってるー」と言い出し、話を遮って自分の話をしだす。

「知ってるーおじさん」は人の話を聞くというスキルが皆無に等しい。ひたすら人の話を「知ってるー」でかぶせて自分の話をしだす。

もちろん、そんな「知ってるーおじさん」に、好意に思ってくれる女性はいない。みんなが連絡先を交換しだすと、「知ってるーおじさん」は遠くでうらやましそうに見ているか、積極的に聞きに行くも断られるか、教えてもらってもブロックされるだけだ。

そんな「知ってるーおじさん」は、なぜ「知ってるー」を連発するのだろうか。

婚活イベントには、見知らぬ男女が交際、または結婚を求めて集まってくる。「知ってるーおじさん」にとって、見知らぬ男は婚活のライバルだ。出し抜くことができなければ、交際に発展することはない。

「知ってるーおじさん」は40代後半〜50代前半。見た目で勝つには分がわるい。もちらん、そのぐらいの年代のイケメンのおじさんはたくさんいる。「知ってるーおじさん」を見た限り、あまりイケメンの人を見たことはない。たぶん、本人もわかっていて、見た目で勝負しようとは思っていない。

「知ってるーおじさん」が若い男相手に力で勝つことも難しい。若さがないので力や運動能力で勝つのは難しい。

「知ってるーおじさん」がついている仕事で勝負すれば良いとも思う。でも「知ってるーおじさん」は仕事の話をしたがらない。おそらく、言うと女性が魅力を感じないような仕事についているとおもわれる。

あまり魅力的な仕事についていないからお金も無い。金銭的な魅力で女性を動かすことはできない。

お金も無いから趣味にお金をかけられない。私生活も充実していない。やることはネットで時間を浪費するだけ。

おそらく女性と付き合ってきた経験も少ない。会話の技術で勝つのも難しい。

若い人に婚活で勝つことができるのは知識の量。

そこで「知ってるーおじさん」は女性の前で、たいして約にも立たない無駄な知識を連発しはじめるのではないか。

「知ってるーおじさん」は若い男に勝てる魅力が無い。勝てるのは知識の量。でもたいした経験していないから、ネットで集めた知識しかない。

「ネットで集めた知識の量で勝つしかない」

そう思ったことが理由で「知ってるー」を連発するのではないか。ひたすら人の話を遮って話し続けることが、同じ婚活参加者の男たちに勝っていると勘違いしているのではないか。

「知ってるーおじさん」は無人島流れ着いて、宇宙船を作り出しそうとしているようなものだ。

無人島から脱出するために必要なのはイカダだ。宇宙船をつくって宇宙に行く必要はない。

「知ってるーおじさん」は、婚活で女性が必要としている喜ぶ要素を勘違いしている。その場所、その人に、必要なものを想像できない人なのではないか。

婚活で頻繁に「知ってるーおじさん」にあうのは、女性に選ばれることがなく、繰り返し婚活に参加した結果の末路だったのだと思う。

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