予想外の場所に映った座敷わらし!緑風荘の幸せになれる写真

「手っ取り早く幸せになりたい!」緑風荘に行こうと思ったきっかけは、簡単な理由だ。緑風荘には、座敷わらしが出る伝説がある。座敷わらしに出会った人や、不思議な体験をした人は、必ず良いことがあるそうだ。

10年以上前、僕はヒッチハイクで日本縦断の旅をしていた。この度の途中に、緑風荘に行くことを決めていた。
順調に旅を進めていた僕は、函館のユースホステル(相部屋の宿)で、一緒の部屋になった人に座敷わらしの話をした。
彼は乗り気になり「よし、一緒にしあわせになろう」と函館から、岩手県二戸の金田一温泉郷にある緑風荘まで、車で乗せて送っていてくれる事になった。

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槐の間に現れた巨大なオーブ

いろいろ寄り道をして緑風荘に到着したが、予約もなにもしていない。泊まれるか心配になる。
玄関を開けると、笑顔の素敵なご主人が現れた。
ご主人に「予約をしていないけど泊まれますか?」と聞くと、「君たちは旅人?」ときかれ、僕は「ヒッチハイクで旅をしている」と話す。
ご主人は「よし、一泊二食つきで5000円でよし」と頼んでもいないのに割引してくれる。

泊まれると言っても、座敷わらしがでると言われている、槐(えんじゅ)の間ではない。その部屋は当時、3年先まで予約でいっぱいだった。もちろん、いきなり予約なしで訪ね、3年先まで予約いっぱいの部屋を、5000円に割引してくれて泊まれたわけではない。
座敷わらしがでる部屋とは別の、普通の6畳の部屋だ。

ご主人に聞くところによると「槐の間以外の部屋にも、遊びに行くことがあるよ」と言ってくれる。期待が膨らむ。

ご主人の親切で「槐の間にお客様がいない間、部屋を見てもいい」と言ってくれた。槐の間には、槐の間に泊まれなかったお客さんが全員集まっていた。

槐の間の床の間に、たくさんのおもちゃがある。座敷童子にあうことができた人や、幸せになることができたひとが、お礼にプレゼントとしてもってくるそうだ。

みんな、槐の間で写真を撮りはじめる。ほうぼうから「きゃー、なんか写っている!」「オーブ写っているよ!」と写真を撮るたびに、当たり前のようにオーブが撮れているようだ。

僕もせっかくだからとデジカメで写真を撮ると、もう何枚とってもオーブだらけ。オーブが写っていない写真をとるのが難しいぐらい。こんなに簡単に不思議な写真が撮れるのに、恐怖心は全く無かった。

当時ヨガを習っていた僕は調子に乗って、超キレイなブリッジをするので、その瞬間を写真に撮ってほしいと、旅の友人に頼んだ。僕は部屋の真ん中で仰向けになり、手のひらを床に向けて顔の横に置き、呼吸を整えると、一気にブリッジのポーズをした。
まわりの宿泊客も関心をもちはじめ「すごーい」と言ってくれた。

いくらヨガをやっていると言っても、その状態で長く静止することはむずかしい。僕は「撮って、早く撮って!」と主張するも、「シャッターが降りない」と旅の友人は言い出す。僕はは必死でブリッジをし続ける。かたや必死にシャッタを何度もおす。その攻防をしばらく繰り返す。攻防のおわりは、フラッシュが光だった。フラッシュと共に床に倒れこんだ。

ぼくは息も絶え絶え「早く撮ってよ」と苦情を言った。旅の友人は「なんか、すごいの写っているよ」と言った。

カメラを渡されてデジカメを見ると、ブリッジをている僕のお腹、ちょうど丹田と言われいるところの少し上に、ものすごい大きくはっきりしてオーブが写っている。
通常のオーブの10倍ぐらいはある。

ご主人に見せると「君の上に座敷わらしが座ったんだな、君はきっと幸せになるよ」と言ってくれた。ご主人に写真を送って欲しいとまで言れる。

ご主人は槐の間で撮れた、お気に入りの写真を集めているらしく、そのアルバムも見せてくれた。とんでもない写真だらけだった。その写真の中に、僕の写真をいれたいと言うのだから、ご主人から見ても、かなり珍しい写真だったようだ。
ご主人の写真集はたしかにすごいが、自分の写真の方がうえだった。

一度部屋に戻り、お風呂に入り旅の疲れを取る。

お風呂を出た後、部屋に戻ろうとしたら、暗がりから誰かがやってくる。浴衣を羽織っているが、帯を結んでおらず、前が全部見えていた。
よく見えたらお世話になったご主人だ。
ご主人は「すまん、すまん」と言って、浴衣を右、左と閉じて、立ち去っていった。違う座敷わらしをみてしまった気がした。

緑風荘での不思議な体験

残念ながら、部屋に座敷わらしが遊びに来ることはなかった。疲れていたせいか、ふたりとも完全熟睡。もしかしたら来ていたのかもしれないが、睡眠欲のほうが勝ってしまった。

朝食に向かい席に着く。隣の席になった人と話していると、よくよく聞いたら、槐の間に泊まった人だった。

その女性2人に槐の間での一夜の話を聞かせてもらった。

二人は、並べた布団に入り、しっかり熟睡したそうだ。深夜2時ぐらいに突然おもちゃが動き出して、その時のおもちゃが動く音で起きてしまったそうだ。

それから怖くなり電気をつけて寝ると、今度は深夜4時ぐらいに、布団を下方向に「ざぁーっ」と引っ張られたそうだ。起きてみると、そこにはだれもいない。
知らない誰か、もしかしたら、ひとではない何かに引っ張られたそうだ。

その後は、一睡もでず、朝まで起きていたそうだ。

緑風荘のその後

この話は10年以上前の話。その後、緑風荘は火事になり再建した。
作り直した緑風荘の槐の間は、泊まることはできないけど、宿泊者共有の場所へ変更したそうだ。いつかまた、今度は新しい緑風荘でブリッジしたいと思う。
次は、何が撮れることやら。

座敷わらしと思われる写真が撮れて、幸せになったかどうかはわからない。でも、今こうやって振り返り、ブログを書いているということに、ささやかな幸せと感じている。
ブリッジ座敷わらし写真を、旅先でお世話になった、岡山で自営業をしている方に譲ったことがある。
だいぶ経ってから連絡が来て、写真をもらってからどんどん売上が上がり、僕の写真は引き伸ばして、額に入れて飾っているそうだ。

緑風荘に泊まると怖い体験をするかもしれない。でも、その体験が幸せにつながっているかもしれない。
良い体験ができるのはまちがいない。

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