現実世界の霊感診断テスト?友人は本物の霊を見て、僕は何も見えなかった怖い話

夏の暑い時期、友人の家に泊まりに行った時の話だ。

中学校の友人のしんさんは、親が甘いのか欲しいものはなんでも買ってもらえる。しんさんはゲーム好きで欲しいままにゲームを買ってもらい、部屋の机の棚には勉強道はなく、スーパーファミコンのゲームソフトが山のように積み上がっていた。

僕の家は逆に厳しくゲームソフトはあまり買えないため、しんさんの家でやらしてもらっていた。他にも同じような境遇の人が多く、しんさんの家にはたくさんの友人が集まる。
やりたかった格闘ゲームをしんさんが購入したので、「泊まらして!朝まで徹夜でゲームをやろう」と頼み、しんさんの家に泊まることになった。

家の2階にしんさんの部屋がある。日当たりの良い大きな窓があるベランダがあり、気持ちの良い日差しは、当時希少だったスーパーファミコンの機能が内蔵されているTVを照らしていた。夕方ぐらいからゲームをはじめ、ご飯、お風呂、トイレ、以外はゲームに没頭。
今思うとよく飽きなかったと思う。

深夜の2時前ぐらい、丑三つ時になった頃。
さすがにぶっとうしでゲームをやって疲れたので「ちょっと休もう」と僕は提案した。しんさんも疲れたのか同意し、一旦コントローラーを置いた。

しんさんの部屋は、なんでも買ってもらえるわりにはエアコンも扇風機もなかった。少し小高い山の上に家があったため、大きな窓を開けておけば涼しかった。
TVの正面には大きな窓とはまた別に、小さな窓がある。しんさんは「ちょっと暑いな。こっちの窓も開けよう」と窓を開ける。
僕は開いた窓から体半分乗り出して「しんさん、こうしていると涼しいよ」と勧めた。しんさんも一緒に体を乗り出した。小さな窓の斜め下には、家の玄関があり、その上には玄関を覆うように屋根がついている。

しんさんは突然不思議なことを言い出した。
「今、誰か出て行ってよね?」
僕は言っていることがよくわからず「なんのこと?」と聞き返した。

しんさんは再度「今、玄関から誰か出て行ったよ」
僕は窓から体半分乗り出した時からずっと下を見ており、もし誰かが玄関を開けて出て行ったならわかるはずだ。
冗談だと思って「しんさん、変な冗談いうなよ。誰もいないよ。ビビらせようとしているでしょ」と言った。
しんさんは、みるみるうちに青ざめていき「冗談じゃない! 男の人が玄関から出て歩いて行ったよ」と強く言った。
玄関は体半分乗り出していると見えるので、一切開いていないことを確認している。ドアが開く音や、人の歩く音、もちろん人の姿など見えていない。
僕は「お父さんじゃないの?」と言うと、
「いや、全然知らない人。身長170ぐらいの、40ぐらいの人」と具体的に言った。

同じ景色を見ていたはずだ。
玄関があってその先に続く道がある。僕がみた景色、そこには誰もいなかった。
しんさんには、玄関が開いて、その先の道を男の人が歩いて行ったのをみた。

僕は100%何も見ていなかった。
可能性の一つとして、家にいたお客さんが、深夜に帰宅するのをたまたま見たのではないかと思った。
「しんさん、確認しようよ」しんさんは同意し、二人で1階におりて行った。
まず玄関を確認すると、内側から鍵がかかっていて、チェーンもかかっていた。
しんさんのお父さんは出張でいなかったので、下の階にはしんさんのお母さんとおばあさんが寝ている。
玄関の前にある部屋で二人は寝ている。部屋のドアを開けると、しんさんのお母さんが、Tシャツ1枚、その下はパンツ1枚の大股びらきで、大いびきをかきながら寝ているのが見えた。
僕は黙って後ろを向いた。

しんさんはそんな姿には目もくれず、必死になって起こしていた。
お母さんはいやいや起きた。僕がいるのも忘れているのか、Tシャツ1枚、パンツ1枚、頭はカールがびっちりついていて、眠そうな目は半分白目。ちょっとよだれを垂らしながら「どうしたのよー、ど深夜に」と甲高い声で言った。
僕にはしんさんが見たものより、目の前にいる妖怪にしか見えない、しんさんのお母さんの方がよっぽど怖かった。
しんさんがいなかったら食べられたかもしれない。

しんさんのおばあさんも起きて状況を説明すると、誰も玄関を開けていないし、誰か深夜に家を出て行くように人もいなかったことがわかった。
必死になるしんさんと、黙って半分寝た状態で立っている、パンツ姿のお母さんとの攻防戦を見て、僕は笑いをこらえていた。
僕が何も見ていないことを説明すると、しんさんの見間違いということで片付いた。おばあさんと、パンツ姿で立っているだけだった妖怪は、黙って布団に戻っていった。
しんさんは納得はしなかったが、せっかくのお泊まり会だったので、楽しく行こうとゲームを続け朝方には二人で眠りについた。

しんさんが見た何かは謎のままだ。
一般の世界でも似たようなことはよくある。ある人には、良い人に見えても、別の人からしたら諸悪の根源。
しんさんにはお母さんに見えたものが、僕には妖怪に目えたように、同じものを別の視点から見ると違って見えることはよくあることだ。
でも今回は勝手が違う。僕にはただの景色。しんさんには中年の男性。
見た目が同じで、中身が違うのではない。見たものが全く違うのだ。同じ場所を見ていたのにも関わらず。
単純にしんさんに霊感があって、僕には霊感がなかっただけの話なのか。
ゲームに疲れて、しんさんは幻覚を見て、僕は見なかっただけなのか。
未だに解明できない怪異な心霊体験だった。

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