演劇ワークショップで若手女優に本気で切れられた話

普通の人生を送っていて、女優に本気で怒られたことがある人はいるだろうか。演技ではなく本気で。

僕は映像演技ワークショップに参加していた。

参加した映像演技ワークショップは、現役の映画監督からの演技のレッスンをうけることができ、最後まで通い続けることによって、指導してくれた映画監督の自主制作映画に無条件で出演することができる。

女優が切れたのは、3回目のレッスンのときだった。

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映像演技ワークショップを習ったきっかけ

昔、合宿で車の免許を取りに行ったことがある。合宿免許の最中、合宿所のみんなでキャンプをすることになった。

たまたま、合宿所にツリーハウスができたタイミングと、合宿所の創立記念祭のタイミングで、ケーブルカメラの取材が来ていた。

キャンプ提案者、言い出しっぺの僕が、代表して感想をカメラの前で言ってくれと言われて引き受けてしまった。

前もって言いたいことをメモに書き、必死で前日練習した。

いざ、当日カメラの前にたったら、頭のなかは真っ白。ほとんど言いたいことを言えずに終わってしまった。

その後、撮影クルーの人が合宿所の教官に「あの映像使えないよ」と話しているのを聞いてしまう。

それ以降、人前で何かをすることに対し躊躇して、緊張しやすくなってしまった。

それを克服しようとしたことが、映像演技ワークショップの講座を受けたきっかけだ。

映像演技ワークショップのレッスン内容

講座の指導ににあたる人が、現役で監督をやっている。生徒のほとんどが売れない俳優の卵。僕だけが俳優を目指していない人間だった。

男女様々な人たちが通っていて、年齢は10代〜上は50代まで様々。

半年間かけてカメラの前での映像演技を習い、最終的に実際に監督の作った映画に出演し、その映画を映画賞に出すという講座だ。

制作映画の主役を選ぶために、参加者の中でオーディションも行われる。かなり実践的な講座だった。

もともと、映画に出ることを目的にしていなかった。監督や受講生にわるいが、自信がついた時点で辞めているので、僕自身は映画には出ていない。

芸能人になるなら、写真の修正補正技術が必須!?

売れない俳優の卵の中で、現役で有名な事務所に入っている女優がいた。指導者にあたる監督の映画にでたこともある女優さんで、その映画は何度も小さい映画賞を受賞している。

女優さんは講座が終わる度、ブログやSNSにアップするための写真を撮ってから帰る。女優さんは、女優のわりには、ホクロや肌荒れがすごかった。

女優さんのブログの写真を見てみると、淡いぼんやりとした補正がかかっていて、ホクロや肌荒れが一切消えている。

クレーターだらけのでこぼこの月が、むきたてのゆで卵に変わったぐらい、劇的な変化だった。

いったい、どんなアプリを使っているのだろうか。もしかしたら、自宅でフォトショップで修正加工しているのだろうか。もはや職人芸だ。売れないなりに必死なのかもしれない。

芸能人の写真の殆どは、信用出来ないものだと決定づけた瞬間でもある。

女優、東京タワーと京都タワーに切れる

映像演技ワークショップは、毎回レッスンテーマがある。

テーマに沿ってカメラの前で演技をし、全員の演技が終わった後、みんなで撮影したばかりの映像を見ながらフィードバックをする。

3回目のレッスン。レッスンテーマ、二人ペアでの面白い設定。

僕のペア相手は、ベテランの若手女性俳優さん。かなりの演技経験がある。素人とプロのペアだ。今回のレッスンの話の流れは、ほとんど僕が考えた。

相方がレジを打つ役。僕が托鉢にきた僧侶。托鉢とは、おわんを持って家の前に立ち、お経を唱えて施しを受けて回ること。

僕演ずる僧侶が、たくさん商品が入っているカゴを持ってくる。レジ役のベテラン俳優さんとの掛け合いをして、お金を払わずに托鉢で商品を施してもらおうという設定。

演技の終わりにに、僕が東京タワーで、ベテラン女性俳優さんが京都タワーのモノマネをしながら、カメラの前から去っていく。

まだ、講座を受けて3回目。演技初心者の僕は、精一杯頑張り、ベテラン女優俳優さんも褒めてくれた。

ただ、修正女優は気に入らなかったのか、フィードバックの時間に突然キレた。

修正女優は、修正だらけとは言えかなりかわいい。さすが有名な事務所に所属するだけあると思えるレベル。

その修正女優が、ブログに書いたら即、アカウント停止レベルになる言葉で罵ってきた。

「お前のやっている演技は、演技の◯◯◯◯だ!」

修正女優に限らず、女性からこの言葉を聞いたことはない。その後も、修正女優は鬼のような顔をしながらキレ続け、暴言を吐き続ける。

東京タワーと京都タワーは、先っちょがぐにゃっと曲がってへたってしまった。

どうも修正女優は、東京タワーと京都タワーのモノマネが、気に入らなかったようだ。モノマネのレベルが低かったのか。修正女優が、東京タワーと京都タワーを見たことがなかったのか。

修正女優の話しを要約すると。レジ係と僧侶の役なのに、突然ストーリーの関連性がない、東京タワーと京都タワーが出ることがおかしい。

「面白設定だから、細かいことに気にするな」と僕は思った。

東京タワーと京都タワーは、さらに先っちょが曲がり、先っちょは床についてしまった。その後、烈火のごとく怒っていた修正女優は、講座の終わり終了後の写真を撮影。満面の修正された笑顔をアップ。

そして、ブログに今回の講座で切れたことを書いていた。

簡単に要約したら「必死に考えて挑戦して失敗したらいいじゃん。間違えていいんだから」と書いていたが、必死で考えて、挑戦して、間違えて、全力で挑んだら、鬼神の顔で全力で切れられて、放送禁止用語連発されたのだ。

肌荒れホクロは修正できても、修正女優の心は修正できないと思った。

鬼神のごとく怒り狂う修正女優の写真を修正したら、満面の笑顔で微笑む女神になるのだろうか。

修正女優の前で、僕は必死に心を修正して、怒り狂われないよう努力。

僕はド緊張の中、東京タワーの演技をすることによって、人前で自分を晒すことへの抵抗感が吹き飛んだので後悔はしていない。

その後、別の場所で演劇を習うことになり、演技の先生が「女優は自分中心でわがままな人間が多いと」言う話をしていた。

先生は女優の彼女がいたことがあり、自己中な性格にかなりふりまわされたと話していた。僕は妙に納得してその話を聞いた。

修正女優さんは、今も継続して芸能界を頑張って生きている。今となっては良い思い出だ。なぜなら、生きている間、現役の女優さんに本気で切れられることはそうそうないことだから。

修正女優さんにはこれからも頑張ってほしいと思っている。

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