「ここは新しいゼロ磁場パワースポットかもしれない」旅の最後に思った。
桜が咲き始め、分杭峠の通行規制が解除された3月。長野県伊那市にある日本最強と名高い分杭峠に行ってきた。
2泊3日の予定で、初日は長野観光と移動に使い、2日目は丸一日使って分杭峠を堪能するスケジュールにした。
今までたくさんのパワースポットに出向いたが、分杭峠だけはなかなか行く機会がなかった。交通規制のせいで冬の時期に行けないこと。交通が不便なことが理由。
分杭峠に行こうと思ったのは、一最強パワースポットを堪能して、自分に何か変化があるか実験して見たかった。
初日の夕方、宿泊予定の日本一分杭峠に近い宿、平家の里に到着。
焼肉屋の上が宿になっていて、宿の2階が個室、3階が相部屋の雑魚寝となっている。料金最優先で相部屋を選び、どんな人と一緒になれるかワクワクしていた。
宿泊していたのは、意外なものだった。
宿泊していた意外な〇〇!?
3階の部屋に入る。同室の人はいないようだ。これから来るかもしれない。緑の絨毯が敷いてあり、大きめのストーブがある。3月とはいえまだ寒いのでありがたい。
電気をつけようとすると何か違和感を感じる。紐の先に何かが動めいているのだ。すごい数の何かが。
例えるならぶどうの房のようだった。それはぶどうの房ではなく、すごい数のテントウ虫の集まりだった。
よくみると部屋全体にありえない数のてんとう虫がいる。あまりに数が多すぎて足場がないレベルである。
後々話を聞くと、この宿に宿泊客が来たのは半年ぶり。分杭峠に行く道が冬の間通行止めになっていて、解除されたタイミングで僕が泊まりに来たので、ずっと宿泊客はいなかったそうだ。
そのかわり、別の客(てんとう虫)が無銭宿泊をしていた。きっと外は寒すぎたのかもしれない。
横になるスペースがないくらいてんとう虫で埋まっていた。
やむをえず、掃除機が部屋にあったので、テントウ虫を吸い込みまくる。数千テントウ虫を倒しただろうか。まだまだ湧いてくる。部屋のどこかに隙間があってそこから侵入してくるのかもしれない。
テントウ虫の星の数をコンプリートするのは楽勝だ。
もう気にせず寝るしかない。てんとう虫のいない隙間に寝袋を敷いて、焼肉屋でご飯を食べ、集まるテントウ虫を払いながらの就寝。
分杭峠以外の最強ゼロ磁場パワースポット
2日の朝目的の分杭峠へ。もともと、健康かつ超元気。分杭峠に行ったからといって、特別何か変化を感じたということはない。
ただ、水が組める場所の周辺は、何か別の空間にいるような感覚はあった。
「プールにでも入るの?」と言いたくなるぐらい、永遠に水を汲んでいる人がいて、どんどん行列が増えていった。
山の上にいるにもかかわらず、人混みが嫌になり、山へ進む道を見つけそのまま山頂へ向かう。
峠に着いたら遠くの方で大きな鹿が、こちらを黙ってじっと見ている。まるで山の主だ。
なにかよくわからないが、山の主がいる方へ行ってはいけないような気がした。峠でヨガをやってから下山。
宿に戻ってくるとてんとう虫復活。
なぜか初日と同じぐらいのてんとう虫が。もしかして、掃除機の中から出てきたのでは。
また、掃除機をかけ始める。するとご主人がやってきて、「てんとう虫が多すぎるから、相部屋の料金で個室を使っていいよ」と言ってくれて、遠慮なく個室に移動。てんとう虫に襲われることなく安心して宿泊できた。
ゆっくり熟睡して、宿を後にする時思った。
これだけのてんとう虫が無限に集まってくるこの場所は、最強のゼロ磁場パワースポットなのかもしれない。
人間に感じられないセンサーを持っていて、てんとう虫が癒やされるためにこの場所に集まってきているでは。もしかしたら、僕は分杭峠以上の最強のゼロ磁場パワースポットで、二日間すごしたのかもしれない。
この焼肉屋は最強のゼロ磁場パワースポットだ。
分杭峠を楽しむというより、てんとう虫と共に過ごす旅になった。
宿のご主人が良い人だった。また泊まりに行き、てんとう虫がいるパワースポットで焼き肉を堪能したいものだ。
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